子育て世代の約8割は持ち家に住むことを希望しているといわれています。しかし子どもが小さい家庭ほど、借家住まいが多いのが現状です。
なぜ持ち家に住まないのかというと、預貯金がまだ貯まっていない、今の給料では毎月の返済が厳しいなどの金銭的な理由が挙げられるからです。
住宅を購入する世代の30歳代の平均年収は低下している傾向にあり、住宅の価格は上昇している傾向にあるのです。ますます持ち家に住むことを難しくしているといえるのです。
そこで、子育て世代には住宅取得支援制度が用意されているのです。この制度を使って憧れのマイホームを手に入れることができるかもしれません。住宅取得支援制度について詳しく紹介します。
目次
子育て世代への住宅取得支援制度
子育て世代がマイホームを手に入れるために真っ先に思いつくのが親からの援助です。しかし、平均寿命が延び続けている現在では、親世帯も今後の生活費としてある程度のまとまった貯蓄額が必要となってくるのです。
そう考えると、子どもである子育て世代の住宅取得支援のために、現金で援助することは難しくなっているのです。
そこで、親世帯が持ち家に住んでいる場合、そのまま親世帯が現在の家に住み続けながら援助できる方法があるのです。親世帯の持ち家を資産として活用する方法です。
この方法をリバースモーゲージといいます。
リバースモーゲージってなに?
リバースモーゲージのリバースは「逆」、モーゲージは「抵当」という意味を表します。リバースモーゲージは、高齢者等(親世帯等)が自分の住んでいる家を担保として融資を受ける貸付制度のことです。融資は、一時金として受け取る方法や、年金形式で受け取る方法もあります。
融資を受けている債務者(親)が死亡すると、抵当に供された家が売却されて債務が回収されるしくみです。
通常の住宅ローンであれば、時間の経過とともに債務残高が減少していきますが、リバース「逆」になるので、時間の経過とともに債務残高が増加していくのです。融資は子育て世代への住宅取得支援にも活用できますし、自分たちの老後の生活費に充てることもできるのです。
リバースモーゲージのメリット
- 通常の住宅ローンでは断られるような高齢であっても融資を受けることができる。
- 今まで住み慣れた家を離れることなく融資を受けることができるので、環境が変わることを嫌う高齢者にとっては安心できる。
リバースモーゲージのデメリット
- ・不動産の評価額が下がる
- リバースモーゲージは契約時に不動産の評価額に応じて融資額が決められます。もし、リバースモーゲージの契約期間中に不動産の評価額がいちじるしく低下することがあれば、担保割れするかもしれません。
そうなると、融資額が減る、融資が停止するようなことが起るかもしれないのです。 - ・金利が上昇する
- 金利が予想を上回って上昇した場合、利息を含めた融資総額が増えることになります。そうなると契約終了前に融資残高が不動産価格に達してしまうことになってしまうのです。
- ・予想以上に長生きする
- リバースモーゲージの債務者が予想を上回って長生きしてしまうと、契約が終了する前に融資残高が不動産価格に達してしまうことになります。リバースモーゲージは、債務者の死亡後に不動産を売却して債務を回収するしくみです。 債務者が長生きをすると、担保割れする可能性があるのです。
- そうなると債務者は利息を含めた債務の返済を求められます。それができない場合は、債務回収として家を失うことになるかもしれないのです。持ち家がマンションならば難しいリバースモーゲージの不動産評価額は、主に「土地」に対して決められます。
- そのため、一戸建てが主な対象になるのです。マンションの場合は条件が厳しく設定されていることが多く、難しい場合もあります。
その他の住宅取得支援制度
リバースモーゲージの他にも住宅取得支援制度はあります。どんなものがあるのでしょうか。
住宅ローン減税
住宅を購入する時に住宅ローンを利用する場合、住宅取得者の金利の負担の軽減を図る制度です。
毎年末の住宅ローン残高の1%が10年間所得税から控除できるのです。
所得税から控除しきれない場合は、住民税からも一部控除されるしくみです。
住まい給付金
住宅ローン減税制度では、所得税で控除しきれなかった分は翌年の住民税から控除されるしくみになっていますが、住民税からも控除しきれなかった場合に最大30万円の現金で給付されるという制度です。
新築住宅の固定資産税の減額措置
一定の要件を満たす新築住宅であれば、新築してから一定の期間は、家屋にかかる固定資産税を減額してくれる制度です。
登録免許税率の軽減、不動産取得税の減額
一定の要件を満たす住宅であれば、不動産を登記するときにかかる登録免許税、不動産取得税が減額できる制度です。
贈与税が非課税になる
住宅を購入する時に、父母や祖父母の直系尊属から住宅取得のための資金をもらった場合、一定金額まで贈与税が非課税になる制度です。
まとめ
子育て世代は、子どもの年齢にかかわらず持ち家に住みたい人が多いといわれています。憧れのマイホームを手に入れるためには、住宅取得支援制度を賢く利用しましょう。
リバースモーゲージについては、メリットとデメリットをよく理解した上で、家族としっかり相談して決めるようにしましょう。