新潟県の上越地方は、冬は雪に閉ざされます。屋根に積もった雪は重みがあるので、除雪しないと家屋が崩壊することもありますし、戸やドアの開け閉めが困難になりますよね。
新潟県上越地方のように雪が多い地域では、家づくりをする時に何か気をつけておかないといけないことがあるのでしょうか?
今から家を建てる方には必見!具体的にどのような住まいにしたら良いか紹介します。
新潟・上越地方の積雪量
冬になると日本の西側の大陸には高気圧、東側の海上には低気圧といった典型的な西高東低冬型の気圧配置となります。
新潟県上越地方のような日本海側では、曇りや雨、雪の日が続くどんよりとした天気になるのです。特に海面水温と気温の差が大きくなる12月や1月では、降水量が多くなり、積雪が多くなる傾向にあります。
新潟県内の年最深積雪の平均値を参考にすると、海岸部で100cm未満、上中越の平野部で100~150cm、山沿いでは200~250cmも積もります。
上越地方の地形が海岸から急に山地になっているので、海岸から少し内陸側の上越市高田は積雪量が多い地域になるのです。1986年以前は数年に1度は200cmを超えるような積雪がありましたが、1987年以降は積雪が少なくなっている傾向にあります。
積雪対策をした家づくり
冬になると雪が積もるので、憂鬱になる人もいますよね。単に寒いから嫌だというだけではなく、雪下ろしや除雪をしないといけないからです。
家の雪下ろし、車の雪下ろしもしなくてはなりません。そこで、雪が降る時期を快適に過ごすためには、どのような積雪対策をしたらいいのでしょうか。
屋根に工夫を施す
雪国では雪が積もる屋根に工夫を施すことが重要になってきます。
屋根を自然落雪型にする
新潟県でも地域によって積雪量は変わってきますが、上越地方は雪が多い地域ですよね。
家を建てるときには外観や間取りに目がいきがちですが、積雪対策をよく考えて設計をする必要があります。屋根の雪下ろしは寒いし重労働ですよね。雪下ろしをしなくても済む「自然落雪型」の屋根にすると便利になります。
自然落雪型の屋根は、雪が自然に落下するようになっているので、勾配が急な形状をしています。家をオシャレな外観にしたいと思っていても、必然的に箱型の家になることは覚えておきましょう。屋根の雪を溶けやすくすることを考えると、南側に屋根を向けると効果的です。そうなると屋根の向きや家の向きが決まってきますね。
自然落雪型の屋根で考えておくべきことは、落ちた雪を排雪する場所があるかどうかです。土地の広さに応じて排雪場所をあらかじめ決めておくことです。そうしないと雪が溢れて隣家に迷惑をかけることもあるからです。
屋根に融雪設備を入れる
屋根に融雪設備を入れると、雪の積もらない、溜まらない家になります。屋根に特殊なシートを貼り、井戸水などの水をポンプ等で組み上げて配管から流します。シートに雪が触れると水に触れることになり、雪が積ることなく溶けていくのです。
溶けた雪は、雨どいを伝って排水するしくみです。ただし、融雪設備は設備費用やランニングコストがかかります。
高床式住宅にする
新潟県上越地方のような雪国では、高床式の住宅にしている人も多いです。コンクリートで底上げして高床式にすることで、家の下に車を収納するのです。車に雪が積もる心配が無くなりますよね。
高床式住宅にすると、駐車スペースができるだけではなく、居住スペースが埋もれることがないので、除雪をする回数を減らすことができるのです。溜まった雪に日光が遮られることもないので、冬でも部屋の中に光が入ってきて明るくて暖かいのです。
また、高床式は湿気対策もできますし、物置や野菜の保存場所として使うこともできます。収納スペースが増えるのは嬉しいですね。
それに居住するスペースが2階や3階といった高い位置になるので、前の道を歩く人の視線も気にならず、防犯対策にもなるのです。
カーポートを作る
積雪のシーズンは、毎朝車の雪下ろしをしてから出勤しないといけないですよね。朝から雪下ろしは寒いし重労働です。そこで、車は屋根があるカーポートに収納すると良いです。カーポートは屋根と柱だけの簡易的な車庫なので、積雪が多くなると雪の重みでカーポート自体が崩壊することもあるので注意しなくてはなりません。
雪対策のためにカーポートに補助柱を使って強度をあげるようにしましょう。補助柱は脱着式と収納式の2種類があります。雪の多い時期や台風などの時に使うと良いです。
カーポートを玄関から前面の道路までのエントランス部分に作ると、除雪箇所を減らすことができるようになります。ただし、カーポートは横から吹き込んでくる雪を防ぐことはできないので、車の雪下ろしが全く要らなくなるわけではありません。
まとめ
雪国で家を建てるのならば、雪対策から考えるといっても過言ではありません。雪国では雪下ろしや除雪はつきものです。そのために、屋根を工夫する、高床式住宅にする、カーポートを作るなどの方法があります。
カーポートを作るのならば、効果的な場所に作る、補助柱を使うなどして雪に押しつぶされないように工夫しましょう。