日本は地震大国なので、この先地震を避けることは難しいです。
そうなると、家を建てるときには地震に強い家を建てたいですよね。
耐震性のある家にするのはもちろんのこと、家を建てる土地自体が地震に耐えることができなくてはなりません。
土地を選ぶ時には、生活スタイルにあった利便性の高い場所に注目してしまいますが、自分や家族が安全に住み続ける土地であるかどうかが一番の要件になってくるのです。
地震に強い土地というのは、どのような土地なのでしょうか?
地震に強い土地選びについて紹介いたします。
そもそも地盤ってなに?
地震に強い土地(地盤)選びを紹介する前に、地盤について説明いたします。
地盤とは、地面の下にある土の層のことをいいます。
建物は地面に建っているので、建物を支えているのがまさに地盤なのです。
地盤の上にのっている建物を安全に支えるためには、地盤がその建物の重さに耐えることができる強さと硬さを持っている必要があるのです。
地盤の強さや硬さのことを「地耐力」といいます。
もう少し詳しくいうと強さのことを「支持力」、硬さのことを「変形性能」といいます。
建物を安全に支持して土の地耐力の能力で支えているのが地盤なのです。
地震に強い土地選び5つのチェックポイント!
地震に強い家にするための住宅の基本性能として大切なのは「地盤」「基礎」「構造体」の3つの要素が挙げられます。
この中の「地盤」が今回の土地選びに密接に関わってくるのです。
地震に強い土地(地盤)選びの5つのチェックポイントを紹介いたします。
地盤が強いかどうか
地盤が強いかどうかは、実際には地盤調査をしないとわからない部分がありますが、ある程度は予測することができます。
それは、家を建てようと思っている土地が以前はどんな土地として利用されていたのかを知ることです。
以前その土地が田んぼに使われていたのならば、水が溜まっていた場所になります。
水の影響で地盤が弱い可能性があるのです。近くに川や池がある場合は、埋立地になっていることもあります。
埋立地も地盤が弱いことが考えられるのです。
液状化の可能性があるのか
大規模な地震が起ると、液状化現象による被害がでてきます。
液状化現象とは、地震による揺れの振動で、地盤が一時的に液体のように流動化することをいいます。
地盤が砂質系であると、普段は砂浜のように砂粒同士が密接につながって地盤を作っていますが、揺れによってつながりがなくなってしまい、地面の下にあった水分が砂粒の隙間に入って液体状になってしまうのです。
液体状にドロドロになった地盤は強度が下がるので、その上に建っている建物が重みで沈下し、傾く、倒れるなどの被害が出るのです。
液状化の可能性があるかどうかの見極め方は、古い地図を確認して予測することができます。
昔は辺り一面田んぼだった場所が住宅街になっていると、もともと水が溜まっていた場所なので液状化の可能性が高いといえるのです。
古い地図は図書館で閲覧することができます。
また、地方自治体が作っている液状化マップを参考にする方法もあります。
津波の可能性があるのか
海沿いに家を建てる人は、津波の可能性も考える必要があります。
海から遠く離れている土地であれば津波についての心配はいりませんよね。
東日本大震災の時の津波は10メートルもあったのです。
そう考えると海抜10メートル以上は欲しいところです。
津波の情報について知るには、国土交通省ハザードマップポータルサイトでから検索して閲覧することができます。
地名に「池」や「河」が入っていないか
地名に「池」や「河」が入っていたら要注意とよく言われています。
池や河、沼や湿地の跡は軟弱な地盤であることが多いからなのです。
東京湾岸を例にとると、芝浦、勝どき、月島、豊洲などの今の沿岸部は、明治初期までは海だった場所なのです。
都心の一等地である銀座も、室町時代は「日比谷入り江」と呼ばれる海だったのです。
600年以上経過していても軟弱地盤に変わりはありません。
そう簡単に地盤が強くなることはないのです。
池や河でなくても、「桜」「梅」といった地名も、もしかしたら要注意かもしれません。
「桜」は「サク」から「裂かれた土地」の意味があり、「梅」は「ウメ」から「埋め立てられた土地」の意味が含まれているという研究もあるのです。
地名にヒントがある軟弱な地盤はあちこちに多く存在しているのです。
ハザードマップで確認する
家を建てる土地が見つかったら、国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」で確認してみると良いです。
ハザードマップを作成しているのは地方自治体ですが、すべての自治体が作成しているわけではありません。
そこで、ハザードマップポータルサイトで検索すると、ハザードマップを公開している全国の自治体を知ることができるのです。
ハザードマップは、地震や洪水などの水害の種類別に作成されています。
地震については、大きな地震の際に揺れやすく、建物の被害が発生することが予想される地域が分かります。
洪水については、豪雨によって河川が氾濫した場合に浸水される地域が分かります。
内水といって、下水などが溢れて浸水することが予想される地域も分かるのです。
まとめ
地震に強いと土地かどうかを知るには地盤調査をする必要がありますが、ある程度自分で予測をすることができます。
古い地図を活用して、以前その土地はどのように利用されていたのかを調べてみてください。
ハザードマップを使って検索と閲覧をすることで、地震で建物の被害が出る可能性があるのかどうか、洪水や内水の可能性があるかどうかを知ることができます。