家を建てるのならば、家族が末永く健康で暮らせる家にしたいですよね。特に子どもは暑さや寒さといった気温の変化に弱いです。すぐに体調を崩してしまいがちです。
結露にも気をつけなければなりません。結露してしまうとカビが生えてしまいます。カビは、アレルギーや喘息を引き起こす原因にもなってしまうので恐いですよね。
そこで、家を建てる時には高気密・高断熱が重要だと言われています。具体的にはどのような対策をしたらいいのでしょうか。高気密・高断熱について詳しく紹介いたします。
高気密・高断熱が必要な理由
家を建てるときには気密と断熱をしっかりと考えて作ることが大切です。築年数の経った戸建て住宅でよくあるのが「暖房をつけているのに寒い」「夏はエアコンつけっぱなしでないと過ごせない」「光熱費がたくさんかかる」。こういった悩みに陥るのは気密と断熱をしっかりとしていないからなのです。
気密と断熱をしっかりと施すと、一年中快適に過ごせ、子どもたちをはじめ家族全員が健康に暮らせ、省エネにもなるのです。
気密とは
そもそも気密は、家の隙間を極力作らないようにすることです。断熱は、一方の熱を他方に伝わりにくくすることです。
例えば、煮えたぎった鍋をつかむ時は鍋つかみを使いますよね。鍋つかみが断熱材となるので熱が伝わりにくくなり、つかむことができるようになるのです。
家の場合は、屋根や外壁、床といった直接外気に接する部分に断熱材を施すことが必要になってくるのです。そうすることで、冬は外の寒さを室内に伝えにくくなり、夏は室内へ熱の流入を防ぐことができるのです。
断熱材の種類
断熱材は、原料の違いで主に3つに分けられます。
セルロースファイバーやウールなどの自然派、硬質ウレタンフォームやポリスチレンフォームなどの発泡プラスチック系、グラスウールやロックウールといった無機繊維系です。
形状もパネル、マット、吹き込み、吹き付けなどがあり、施工方法もそれぞれ異なってきます。必要な断熱性能を、建物のつくりや部位に応じて選ぶことになります。
窓の断熱
特に窓は断熱の弱点になる場所です。断熱性の高いサッシやガラスを用いることで大きな効果を得ることができるようになります。ガラスを二重にして、その間に空気の層を作って断熱性能を高めた複層ガラスや、アルミ枠の部分に樹脂を被せることで熱を伝えにくくした製品もあります。
特に大きな窓の断熱性能は、小さい窓よりも重要になってくるので、よく検討するようにしましょう。
結露はどうにもならないの?
冬の朝によく見かける光景で、窓ガラス一面にびっしりとついた結露があります。結露は、空気中の水蒸気が冷えたガラスやサッシに触れることで水滴に変わったものです。
結露を放っておくと、カビが生える、木材が腐る、金属が錆びるなど、子ども達や家族の健康にも良くないですし、家も劣化してしまいます。
結露で厄介なのが壁の中などの見えないところで起こる内部結露です。水蒸気は湿度の低い方に移動する性質があるので、室内よりも乾燥している外気に向かう途中で壁の中で温度が下がってしまい、結露してしまうことがあるのです。
壁の中で結露を起こさないためには、水蒸気を通さない防湿フィルムを壁の内側に張るなどして工夫することができます。結露を自分で防ぐ方法は、換気することです。特に家具の裏側や押し入れの中も結露しやすいので、扇風機などを使って風通しをよくするようにしてください。
断熱材以外で対策する方法はある?
断熱は屋根や外壁、床に断熱材を入れることで対策できます。それ以外にも日射しを遮ることが大切です。
夏の日射しは断熱ガラスの窓を素通りして床や壁、カーテンの温度を上げてしまいます。夏を快適に過ごすためには、日射熱を遮ることが必要なのです。
断熱ガラスやサッシで防ぐことも効果があります。特に南にある窓は庇が設置できれば最も有効に日射を遮ることができるといえます。庇の深さは暑さが最も厳しい8月~9月の日射の角度によって決めるようにしてください。
その他にもカーテンやブラインド、すだれを窓の内側につけるのか、外側につけるのかでも違ってきます。内側につけた場合は、窓ガラスを素通りした日射熱はカーテンなどが受けて室内に放射して温度を上げてしまいますが、外側につけると外で日射熱を受けるので、室内が暑くならずに済むのです。
気密や断熱の性能で目安になるものはある?
住宅の優れた気密・断熱性能の基準として目安になるのが「次世代省エネルギー基準」です。国が次世代省エネルギー基準をクリアする4つの方策を定めています。
- 建物の外皮(外壁、屋根/天井、床/基礎、開口部)の断熱性を高める
- 断熱部位や開口部(窓、玄関ドアなど)の気密性を高める
- 夏の日射を遮る工夫をする
- 風通しに配慮した設計とする
全国を8地域に分けて気密・断熱の必要性を明示したものです。
具体的に必要な断熱材の厚さや開口部(窓、玄関ドアなど)の仕様がまとめられていますので参考にしてください。
まとめ
家を建てるときには間取りや設備も大切ですが、高気密・高断熱も良く検討するようにしてください。
高気密・高断熱の家は、子ども達や家族の健康をしっかりと守ってくれます。家族が一年中快適に過ごすことができ、省エネにもなるので、しっかりと対策を施してください。