家を建てる土地が見つかったら、まずはその土地の強さを確認することが大切です。
新しい家の土台になる土地には、約60トンの家の重さが常にかかり続けることになるからです。土地の地盤を調査して、必要であれば適切な改良を加えることで安心して住み続けることができるようになります。
では、地盤調査とは何のためにするのでしょうか?どんなことを調査するのでしょうか?詳しく紹介いたします。
地盤調査って何のためにするの?
家を建てる時には間取りやデザインに関心がいきがちですが、まずは地盤調査をすることが大切です。もし地盤が弱いところに家を建ててしまうと、建ててから徐々に家が傾いてきます。
家が傾くと窓やドアが開けづらくなり、基礎や外壁にヒビが入ることもあります。住んでいる人の体調不良の原因にもなるので恐いですよね。
一度家を建ててしまうと、その下にある地盤の改良は難しくなり、部分的に補強できたとしても莫大な費用がかかることになります。
家を建てるときには、土地と建物は一体にして考える必要があるのです。
それに、地震などの自然災害が起こると、地盤の弱点がさらされることになります。崖崩れや液状化を起こすことがあります。東日本大震災の後では、地震から日が経つと各地で建物の地盤による被害が明らかになっていましたよね。
どんなに耐震性のある建物を建てても、軟弱な地盤では地盤自体が壊れなくても地震の揺れが増幅されてしまうのです。
家を建てた後で後悔しないためにも、敷地選びの段階から地盤についてはチェックするようにしましょう。
地盤調査はどんなことをするの?
地盤調査は、その土地に建物を建てることができるのか判断するための調査です。建物を建てて耐えることができるのか地盤の強度を測るのです。
一般的な地盤調査は、スウェーデン式サウンディング試験です。
地面に鉄の棒を打ち込んでねじりながら掘り進めることで、回転数、音、振動といったものから地盤の強さや地中を構成しているデータを集めていきます。
この調査結果によって、地盤を改良する必要があるのかどうかが分かります。地盤の改良が必要な場合は、どのような方法で改良するのか、コスト面や安全面も含めて検討することになるのです。適切な地盤改良をすることは、安全で安心できる家を建てるのに不可欠なことといえるのです。
どんな地盤があるの?
日本の地形をおおまかに分けると、山地、丘陵地、台地、低地の4つに分けることができます。
一般的に良好な地盤は、古い地層である山地、丘陵地、台地です。この場合、盛土した造成地は除きます。低地は新しい地層なので、雨水や地下水の集中が原因で、軟弱で不安定な地盤が多いといわれています。
岩盤のような強い理想的な地盤の土地は少ないのが現状です。ある程度弱点がある地盤を改良して家を建てていることが多いのです。
山地・丘陵地
地盤は良好です。ただし、宅地利用地は盛土(もりど)や切土(きりど)されていることが多いので注意が必要です。
台地
古い地質で比較的安定した地盤が多いです。ただし盛土や切土に注意が必要です。
低地
地盤は普通か軟弱です。
川・池の近くや坂道の下、水に関係する文字が地名に含まれている土地は低地であることが多いです。杭を打つなどの地盤対策が必要になります。
一般的に洪水被害をうけやすいといわれています。低地の扇状地は、土石流や河川洪水による浸水の恐れもあるのです。
地盤調査で注意するポイントは?
地盤調査で注意するポイントはどんなことがあるのでしょうか。
盛土(もりど)と切土(きりど)
盛土とは土を盛ることです。低い地盤や斜面に土砂を盛り上げて高くすることで、平らな地表を作るのです。
地盤に重たい土が乗っていることになるので、盛土を約50cmすると木造2階建て住宅が載っているのと同じくらいの重さになるのです。
切土は高い地盤や斜面を切り取って低くすることで、平らな地表を作ることです。
地盤調査の項目で盛土や切土が含まれているのか確認しましょう。
盛土や切土が混在している土地は、地震が起ると揺れ方が異なります。建物にねじれが生じる可能性があります。
盛土が多いと土地が重いので、地盤沈下が起こりやすくなるのです。
地下水位
地盤の中には地下水が流れています。
地下水がどのくらいの深さにあるのかも地盤調査の重要なポイントです。地下水位の高い地盤では、地震によって水位が上昇する、下降することが考えられます。その結果、家が浮き上がる、沈下するということが起る可能性があるのです。
砂質地盤では、地震によって地盤が液体化してしまう液状化現象が起こることも危惧されています。
まとめ
家を建てる時には地盤をよく調べ、地震が起った時に被害を軽減するために、あらかじめ必要な対策をしておくことが大切です。
岩盤のような強い地盤はなかなかないのが現状なので、なんらかの対策を施すことになります。地盤を改良する、杭を打つ、基礎を強化するなどを講じることで、安全で安心して長く住み続けられる家を作ることができるのです。