湿気の多い日本では、家を建てる時に結露の対策をしっかりしておく必要があります。
それに加えて、新築の住居の場合、存在する有害な化学物質で体調不良になるシックハウス症候群の問題もあります。
結露やシックハウスから家族全員を守っていきたいですよね。
それには24時間換気することがとても重要になってくるのです。
家族の健康を守る換気設備について紹介いたします。
目次
シックハウスってなに?
新築の家では家を建てる時に使われた様々な化学物質が存在しています。
その化学物質に体が反応して体調不良になる人がいるのです。
人によって出る症状は違い、
- 眼がチカチカする
- 涙や鼻水が出る
- 皮膚に湿疹ができる
- 汗が出る
- 動悸がする
- めまいがする
- 頭が重い感じがする
- 頭痛がする
- 喉が痛い
- 咳が出る
- いがらっぽい
などが挙げられます。
シックハウスの対策
シックハウスにならないためには、どのような対策をしたらいいのでしょうか。
クロルピリホスの使用禁止
クロルピリホスは、有機リン系の殺虫剤などに含まれている物質です。
木材の防腐や防蟻対策に塗られています。
クロルピリホスが体に入ると、めまいやけいれん、吐き気、頭痛を引き起こすことがあります。
内装仕上げの制限
ホルムアルデヒドを発散する建築材料を居室の内装仕上げ材として使用する場合、面積が制限されています。
ホルムアルデヒドは強い刺激臭があります。
建築材料では合板などの様々な建材に接着剤として使われています。
ホルムアルデヒドは、目や鼻に刺激を与えるので、咳やくしゃみ、ひどいときには呼吸困難を引き起こすこともあります。
換気設備設置の義務化
有害な化学物質というのは、建築材料からだけではなく、家具の接着剤や塗料、カーテンやカーペットの難燃化剤や可塑剤からも出ています。
シックハウスを防ぐには、法律では規制を受けていない化学物質も除去することで、リスクが軽減されるようになります。
居室には24時間、一定基準を満たす換気設備の設置が義務づけられています。
天井裏等の制限
化学物質の規制があるのは居室だけではありません。
天井裏から居室へホルムアルデヒドが流入するのを防ぐために、天井裏に建材や換気設備を施す、天井裏と居室を区画する必要があるのです。
換気はなんで必要なの?
住宅に換気が必要なのは、室内にある揮発性有機化合物や一酸化炭素などの有害汚染物質を排出する必要があるからです。
それに、換気をすることでシックハウス症候群の予防になり、ハウスダストを排出することで気管支喘息の予防にもなります。
換気は室内の臭いを取ることもできます。
換気によって室内にある水蒸気を排出することで、結露やカビ、ダニの増殖を防ぐこともできるのです。
フィルター付き換気扇を使えば、屋外の有害物質や花粉の侵入を予防することができます。
どんな換気設備があるの?
換気の方法は、温度差や風力を利用した自然換気と送風機を利用した機械換気があります。
換気するには空気の入口と出口を作ることがとても大切になってきます。
建物全体を換気する方法は4つあります。
- 給気と排気を機械換気で行う給排気セントラル換気方式(第一種)
- 給気のみを機械換気で行う給気セントラル換気方式(第二種)
- 排気を機械換気で行う排気セントラル換気方式(第三種)
- 自然換気
の4種類です。
すべての住宅に万能の機械換気方式というものはありません。
なぜならば、換気の性能を左右する条件に、住宅の気密性や軒高、間仕切りやドアの通気特性、内外温度差、外部条件などが関係してくるからです。
したがって、建物や使用者の条件によって換気方式を選択していくのです。
一般的に使われているのが第一種か第三種の換気方式になります。
第二種は、給気のみを機械換気で行うので、室内の空気の圧力が高くなり、水蒸気が壁体内に侵入して内部結露をする恐れがあるので住宅には向いていません。
換気量がどれくらいあれば結露やシックハウスを防げるの?
シックハウスを考えた場合、どの位の換気量があれば汚染物質を許容濃度以下にできるかという判断の目安にするために、換気回数があります。
換気量を部屋の容積で割った値が換気回数になるのです。
例えば、1時間ですべての空気が入れ替わるのならば、換気回数は1回/hになります。
2003年に改正された建築基準法では、機械換気が義務化され、換気回数は0.5回/h以上(1時間に部屋の半分以上の空気が換気されること)が採用されています。
ただし、これは木製家具だけでアルミサッシを使っていない、昔ながらの開放的な真壁造りの家には適用されませんので、ご注意ください。
まとめ
せっかく家を建てるのだから、結露をする、家族にシックハウスの症状がでるようなことは避けたいですよね。
結露やシックハウスを防ぐには、換気がとても重要になってきます。
どの換気方式にするかは、自分の家に合ったものを選ぶようにしましょう。
換気回数は0.5回/h以上を目安にしてください。