子どもの年齢に関係なく、子育て世代のほとんどの人が持ち家に住むことを希望しています。賃貸では部屋を汚してしまったり壊してしまったりする心配もありますし、泣き声や走り回る足音が近所に響いていないか気になりますよね。
子育て世代で一戸建てを建てるならばその悩みは解消するといえます。しかし、子どもの事故は意外と室内で起こることが多いのです。
子どもが自宅で安全に安心して過ごせるように、住宅の性能にはこだわりたいところです。では、いったいどんなところに気をつけたらいいのでしょうか。
目次
子育て世代に必要な住まいの性能ベスト5
外出をすれば自動車や自転車に常に気をつけていると思いますが、意外とリラックスをしている自宅で事故が起こることが多いのです。転倒や転落、溺水など家庭内での事故が多く発生しており、その総数は交通事故死よりも多いと言われています。
そういった事故を防ぐためには、住宅の性能のどのような事を工夫すればいいのでしょうか。
第1位:段差をなくしてバリアフリーにする
玄関や廊下には段差があることが多いので、事故が起こりやすい場所です。子どもがスリップする、つまずく、よろめくなどして転倒して事故を起こしています。転倒して骨折をすることもあるのです。
なるべく段差をつくらないようにするとベビーカーから子どもをおろす動作も簡単になりますね。段差ができてしまう場合は、どのように対処したらいいのでしょうか。
段差を見えやすくする
天候や時間帯によっては段差が見えにくくなることがあります。段差のある場所は仕上げの色を変えて見えやすくする、照明をあてて気づきやすくするという工夫を行うことで、注意を促すことができるようになります。
段差に気づきやすくする
段鼻タイルをつけると段差に気づきやすくなります。段鼻タイルは、階段先端の踏み面に使われるタイルで、滑り止め防止のための筋状の突起や溝がつけられているものがあるので、段差に気づきやすくなるのです。
室内の階段よりも段差をゆるやかにする
玄関の段差は、室内に作った階段の段差よりも勾配をゆるやかにする、踏み面を大きく作るなど工夫した方がいいです。玄関は靴を脱ぐ場所なので、足元が安定しないことが多いです。
子どもが寝てしまった時に抱いた状態で段差を上がるのも大変ですよね。
玄関のたたきは滑りにくい素材を使う
玄関のたたきは、雨や雪の日には水が溜まります。玄関のたたきが滑りやすい素材だと、とても危険です。表面に凹凸があるような滑りにくい素材を選びましょう。
ただし、凹凸が粗すぎると、ハイヒールなどのかかとがひっかかることもあって危険です。なるべく目地が細かいものを選ぶようにしましょう。
第2位:転落を防止する
転落といえば真っ先にバルコニーが思い浮かびます。バルコニーに出たらダメだよと言っていても、ふとした瞬間に出てしまうことがあります。どのようにして防いだらいいのでしょうか。
ベランダの柵や窓の隙間を10センチ未満で設計する
子どもは10~15センチの隙間でもすり抜けてしまう場合があります。あらかじめベランダの柵や窓にできる隙間は10センチ未満で作るようにしましょう。
バルコニーに出る窓や腰高窓の鍵は子どもの手の届かない位置につける
子どもは好奇心が旺盛なので、普段はバルコニーで出なくても、蝶がヒラヒラ飛んできた、外で音がしたなどの理由で、バルコニーに出たくてうずうずしてくるのです。
あらかじめ子どもの手の届かない位置に鍵を取り付けておき、施錠を徹底していれば、子どもが勝手にバルコニーに出ることはありません。転落事故を防ぐことができるといえるのです。
その他にも気をつけること
- バルコニーの施錠を徹底する
- 網戸だけにするのも禁止するバルコニーの施錠を徹底する
- バルコニーに植木鉢などの足台になるものを置かない
- 子どもをバルコニーで遊ばせない
- 別室にいるときは頻繁に声かけをする
第3位:浴室に勝手に入れないようにする
子どもの不慮の事故で溺死の比率は高くなっています。海や川、プールを想像しがちですが、意外と自宅の浴室で溺れて亡くなることも多いのです。
どのような対処法があるのでしょうか。
浴室に鍵をつけて、幼児が1人で浴室に入れないようにする
浴室のドアは常に閉めておく
浴槽のフタはきちんと閉めておく
子どもが小さいうちは残り湯をためておかない
第4位:出っ張っている角の面取り加工をする
子どもの事故やケガは家の中で多く発生します。少しでも事故やケガを減らすために、あらかじめ子どもがぶつかりそうな柱や作り付けの家具などの角を1~5ミリ程度面取りしておくと良いです。
面取りをすることで、子どもの頭皮裂傷等のリスクを減らすことができるのです。
第5位:シックハウス症候群を防ぐ
アレルギー体質の子どもにとって特に心配なのがシックハウス症候群です。シックハウス症候群は、建材を害虫から守るために使う防腐剤や接着剤、塗料などに含まれる物質によってアレルギー症状が出ることをいいます。
子どもは大人よりもシックハウス症候群になりやすいので、注意が必要です。どのようなことに気をつければいいのでしょうか。
無垢材のみを使用する
自然塗料を使う
F☆☆☆☆(エフ・フォースター)といって、有害物質(ホルムアルデヒド)の発散が最も少ない基準の素材を使う
まとめ
子育て世代が家を建てるときには、子どもの事故やケガを防ぐことができる家を意識して作ることが大切です。段差や転落、浴室で溺れる事故は意外と多いのです。
出っ張っている角の面取りをするちょっとした工夫でケガや事故を防ぐことができます。アレルギー体質の方は特にシックハウス症候群が出ないように素材選びに注意しましょう